ナツマツリ
目に飛び込んできたのは、雑誌でもよく取り上げられている噂の店舗。
何気なく目を凝らして見詰めていれば。
「じゃ、そこにするか。」
「え、……いいの?」
「別に俺はどこでもいいし。」
「やったー。」
先刻までの疲れは何処へやら。
一気に気分が上昇したあたしは、侑の腕を引っ張りながらその店を目指した。
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カランコロン。
心地好い音色と共に扉を開け、店内へ足を踏み入れる。
「いらっしゃいませー。」