ナツマツリ
「侑、お待たせ。」
「おー……、」
不自然に言葉を切った彼に首を傾げる。
日頃とはまた違った雰囲気。やっぱりこうして見ると、…恰好良い。
一人頬を赤らめたりして、あたしは宛ら変質者じゃないか。
ぶんぶん、と。首を振って侑を見詰めると。
「ナツ、お前……。」
「え、なに、なんか変?」
鏡を取り出そうと、慌てて鞄に腕を突っ込もうと試みるが。
パシ、と。その手を彼に掴まれ敢え無く失敗に終わる。
「なんでスカートなんだよ。」
「…、は?」
「あー…、もういい。行くぞ。」