ナツマツリ
ぱちり、瞬きをした。眼前にはいかにもチャラそうな男の人。
辺りを見渡すも、他に若い女の子も居ない。…と、なると。
「そうそう!君だよー!一人?」
「あ、いえ。」
「立ち話もあれだしさ、一緒に行こうよー。」
「あの、連れが居るので…、」
「いいじゃんいいじゃん、俺と遊ぼう!」
「(なんなの、この人…!)」
一向に引く気配の無い相手。徐々に苛立ちが募っていく。
「っ、」
「さ、行こうかー!」
強引に捕まれた腕を引かれ、膨らむ焦りに任せて口を開いた。
「いい加減にして下さ――」
「アンタ、何してんの。」