ナツマツリ


「何してんの、ほんと。」

「ごめん…。」

「、いや。俺もナツ一人にしたの悪かった。」


それに、と。困ったように視線を逸らした彼は言葉を続けた。


「謝罪よりだったら、感謝のほうがずっと嬉しい。」

「、」


そんな照れたような表情。


反則、じゃないか。


「ありがと…。」

「ん。」


気恥ずかしい緊張感に包まれて。


遠慮気味に指先同士のみを絡めたあたし達二人は、淡いネオンを点灯させた売店へと向かう。


眼前に広がる侑の背中。

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