ナツマツリ


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今日観に来たのは、アクション映画の話題作。


日本でも有名な海外スターが活躍するもので、さすがに席も込み合っていた。


「ここだな。」

「うん。」


チケットに記載された座席番号を見ながら足を進め、ようやく二人で腰を下ろす。


恋愛映画は、あたしは余り得意ではない。


侑もそこは共感らしく、「他人の恋愛観ても面白くねぇ」と言っていたのが記憶に新しい。


色々と思案を巡らせたり、侑の横顔を見詰めていたりすると、上映開始のブザーが鳴り響いた。


それに従って目線をスクリーンに戻し、徐々に映画の世界に引き込まれていくのであった。

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