ナツマツリ


―――――――――――――…



「面白かった!」

「だな。」


映画終了後。些か興奮気味のあたしを視線だけで見下ろした侑は、可笑しそうに口許を緩めた。


「な、なに。」

「いや?来て良かったな。」

「うん。」


顔を綻ばせて頷いてやれば、ニヤリ、と。いわく有り気な微笑を浮かべ、あたしの手を引いて歩き出した。


「?、どこ行くの。」

「任せとけって。」

「嫌な予感がする…!」

「だいじょーぶ、だいじょーぶ。」

「(棒読み…。)」

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