ナツマツリ


驚きに瞬きを繰り返すも、眼前に広がるのは侑の綺麗な顔。目を伏せているせいか、長い睫毛が際立っている。


「っ、」


触れるだけのキスを幾度となく繰り返した後、彼の熱いそれがあたしの閉じきった唇を舐め上げた。


「ちょっ…!」


抗議を唱えようと開いた僅かな隙間から、素早く口腔の中へ滑り込んでくる熱いそれ。


「(し、舌…!)」


自身のものとは信じがたい熱い吐息が洩れる。


あたしが気恥ずかしさに身をよじっている間にも、機械からのシャッター音は鳴り響いていて。


「んっ、ふ…あ、」


上あごや歯茎、舌の裏までも刺激され、繋がった吻から水音が響き出す。


虚ろな目を薄く開けて侑の表情を窺うも、生理的な涙で滲んだ視界がそれの邪魔をした。

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