ナツマツリ


「っ、んん…、」


「撮影終了!落書きコーナーに移動してね」という何とも場違いな声が耳に入ると、最後に唇を啄んだ侑が離れていく。


彼の両肩に添えていた双手が、恥ずかしさに少し震えた。


若干伏せていた瞳を上げ彼を視界に入れる。


と。

「…っ、」


余りの妖艶なその様に、思わず息を呑む。


微細に濡れた唇が、妖しさを助長しているみたいで。


「…侑、」

「ん。」

「何やってんの…、プリクラの中で。」

「いいじゃん。ちゅープリってやつ?」

「ばかだ…!」

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