ナツマツリ
そこまで言うと、うっ、と。言葉を詰まらせた彼は視線を泳がせた。
そう。此処に通うようになってから、侑が居酒屋でバイトしていることを知ったのだ。
サークルに入っていないのに、以前合コンでお酒の注文を難無く熟していたのには、そういう理由があったらしい。
「家賃くらいは、自分で払いたいしさ。」
「………。」
「でも問題は、中々あたしを雇ってくれるところが無い、ってことなんだよね。」
はぁ、と。溜め息を吐きながら数多の面接で言われてきたことを脳内で反芻させる。
「……じゃあさ。」
「?、うん。」
間を空けて口を開いた侑に首を傾げつつ、その瞳を見詰めて続く言葉を待った。
「俺と一緒に住めばいいじゃん。」
「、はぁ!?」