ナツマツリ
「うん、お願いします。」
「おー。」
流し目を寄越してクスリ、微笑んだ様が妖艶で。瞬時にあたしの頬は熱を集めていった。
きゅ、と。シートベルトを握り締め、何とか頬から熱を逃がそうとするも失敗に終るのであった。
――――――――――――…
指先を侑のそれと絡め、店内を進んでいく。そんな中、エレベーターの上の階のボタンを押した彼に首を傾げた。
「先に服買いに行くの?」
「要冷蔵とかどうすんだよ。」
「あ、そっか。」
「……ナツって、んな馬鹿だったっけ。」
「ば、馬鹿では無い、筈…。」
「あぁ、あの大学って偏差高いしな。」
「キツネくんも居るもんね。」