ナツマツリ
侑の両手を占めるショップ袋。
あの後あたしの服を侑が異常なくらい買いあさり、男物の店に移動した後はあたしがそれに負けないくらいプレゼントした。
結果、信じがたい程の量になった、という訳である。
「侑、やっぱり半分持つよ。」
「いいって。」
「……、でも。」
凄い量、なんだけど…。
「じゃあさ。」
「?、うん。」
「俺、一旦これ車に積んでくるから。ナツはそこの本屋で待ってて。」
「あ、うん分かった。ありがとう。」
「おー。」
クスリ、と。口許を緩めて指先をひらひら泳がせた彼は、駐車場のある方へと消えていった。