ナツマツリ


「(知らなかった。)」


今は、この漫画が流行っているんだ。


男の子たちが去ったあと。何となくその山に手を伸ばして、ぱらりぱらり、目を通す。


「(お、面白い…。)」


途中の巻だけど。あとで1巻から集めようと決意。


手に持っていた単行本をそのままに、くるりと向きを変えたあたしはレジの方へと向かっていった。



―――――――――――――…



「侑、おかえり。」

「ん、お待たせ。中で待ってれば良かったのに。」

「丁度出てきたんだよ。」

「ふーん。じゃ、食料品買いに行くか。」

「うん。」

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