ナツマツリ
白いパックに詰め込まれた様々な精肉に目を向けていたあたしの腹部には腕をまわされ、背後から抱き締められた形が現在の姿勢。
あたしの肩口に顎を乗せた侑と視線がかち合い、羞恥に駆られ直ぐ様逸らした。
「……じゃないと困る。」
「なに?」
「、何でもない。」
あたし限定、じゃないと困る。
ぼそり、と。吐き出した呟きは彼の耳に届かなかったらしく、首を捻る侑に小さく笑った。
急に大人しくなった彼に疑問を感じ、視線をずらして再びその瞳を視界に映し出す。
すると。
「ん、」
瞬時に唇を奪われ、滑り込んできた熱い舌に歯列をなぞられた。
くぐもった声を出したあたしに満足そうに目を細めた侑は、傾けた顔をそのまま離していく。