ナツマツリ
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翌日。
キャンパス内、暖かな陽気に包まれるベンチで、昨日密かに購入していた漫画の単行本に目を通す。
ぱらりぱらり、周囲に目もくれずその世界に没頭していると。
「ナツちゃん!」
「キツネくん。」
突然頭上から降ってきた声に、開いていたページから顔を上げた。
「…、どうしたの。」
ジ、と。あたしの手元をひたすら見詰めるキツネくんに首を捻る。
と。
「それ、その漫画!」