ナツマツリ


数年後。



―――――――――――…



闇が空を覆い、眠りが深くなっていた頃。


「、」


息苦しさに身をよじるも、何かに拘束されていてそれも叶わない。


「……んんっ、」


鼻から抜けるのはくぐもった声。


口許に感じる確かな違和感に、眠さの残る瞼をうっすらと持ち上げた。


と。

「ただいま。」

「ゆ、う…?」

< 163 / 232 >

この作品をシェア

pagetop