ナツマツリ


視界を占めるのは学生時代よりも大人びたその姿。


先刻感じた違和感は、彼の唇により塞がれた自身のそれだと納得した。


「息、できないじゃん。」

「悪い悪い。」

「そんなこと思ってない癖に。」

「あ、バレた?」


ニヤリ、いわく有りげな微笑を浮かべた侑。


「(嫌な予感が、する。)」


きゅ、と。口許を引き結びその表情を見返した。


すると。

「ちょ、ストップ…!」

「黙って。」


あたしの首元にその端正な顔を埋め、吸い付けては紅を散りばめていく。

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