ナツマツリ


双手は大きな掌に拘束され、反抗は功を奏さない。


洩れそうになる声を必死に抑え、下唇を噛み締めた。


「ナツ。」

「、…なに。」


途端、するりと耳元へ吻を寄せた彼は、一言。


「啼けよ、俺の下で。」


掠れた声音を落とすものだから、背筋が震えた。


「ちょっと、侑…!」

「なに。」

「結局昨日もシたじゃん、」

「だから?」


あたしの反論など物ともせず、彼は再び顔を埋め肌に口付けていく。


その唇が刺激を落とす度にビクリ、と。震えるあたしは未だ行為に慣れきっていない。

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