ナツマツリ
「ゆ、ゆう…!」
「だからそう言った。」
そして呆れた表情を見せたそいつ。さらに大人っぽさに磨きのかかったその顔を見つめる。1年でこんなに変わるものなのか。
「あんた、どこから出てきたの。」
後ろ振り返ったときにはいなかったのに。忍者か、と呟くとバカか、と返された。むかつく。
「ここに居たけど。おまえ下向いて歩いてただろ。」
「…そうだっけ。」
「あほか。」
ハ、なんて鼻で笑われ思わずムッとする。久しぶりに会ったってのに優しさの欠片もないのかこの男。
ばかあほ言われ放題の現状を打破することを決意したあたしは。
「あんた、彼女でも出来たの。」
相手の弱みを探ろうとこんな問いを投げ掛けた。