ナツマツリ


なおざりになっていた話題を思い出し、視線を戻して口を開いた。


「昨日言ってたじゃん。この部屋だけ防音ってどういうこと?」

「あぁ、それか。」

「確実にお金のかけ方間違ってるでしょ…!」

「言っとくけど、ナツのせいだからな。」


ぶす、と。眉根を寄せて口を尖らせた侑に首を傾げる。


思い当たる節が、無いんだけど。


「待つとは言ったけどさ。」

「?、うん。」


そこでチラリ、横目であたしを捉えた彼は一言。


「6年待たされるとは思わなかった。」

「あ、はは…。」

「結婚した今、毎晩ヤろうがナツには文句言わせねぇぞ。」

「…そういうことか。」


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