ナツマツリ
「陽。お父さん今日もお仕事だから、邪魔しちゃ駄目だよ。」
「はーい。」
「なんでお前は、ナツのときだけ態度が違うんだよ!」
「ほら、侑も。昼からまた仕事なんだから今のうちに寝ておきなよ。」
「……おー。」
そう言うと、ぶす、といった表情で再度布団に潜り込んだ。
陽と手を繋ぎながら廊下を歩いていると、不思議そうな表情を浮かべた陽が小さな口を開く。
「なあ、ナツ。なんでゆうとけっこんしたんだ?」
「聞きたい?」
「ききたい!」
目を爛々として輝かせた陽に苦笑し、視線を宙に浮かせて思案を巡らせる。
「そうだなー…。お父さんって、見た目もだけど中身も恰好良いじゃない?」
「えー、そうかな。ただエロいだけじゃん。」
「今は、ね。」