ナツマツリ
以前、結婚した後に佳奈と話していたとき。
『並大抵の想いじゃ、オトコが6年も禁欲するなんて考えられないよ!侑さん凄い!』
あの台詞は結構、衝撃的で。
あたしが恐さ故に拒否する度に、どれだけ侑を傷付けていたんだろうって思った。
だから、結婚してからは侑のシたいときに受け入れようと思った訳なのだけれど。
…まぁ、ほぼ毎日なんだけどさ。
突然苦笑したあたしを見上げ、不思議そうに首を傾げた陽に慌てて首を振る。
「ふーん、まぁいいや。」
「いいの?」
「うん、だってさ。」
そこで言葉を句切り、ニヤリとした視線を寄越してきた陽を見詰めていれば、一言。
「ゆうとナツがけっこんしてなかったら、おれうまれてなかったじゃん。」