ナツマツリ
途端。
侑の眼が鋭い眼光を帯びたのを感じ、背中がぞくりと震える。
「…どういうつもりで聞いてんの、それ。」
睨みつけるようにあたしに視線を寄こすその姿に、思わず瞳が揺れた。
「どうって、」
「からかってんの?」
何故、そんなに癇癪を孕んだ目で射抜いてくるんだろう。
「…ごめん。」
堪らずそう洩らした。
視線を逸らしたあたしの耳に、侑の息を呑む音がかすかに響く。
「いや、俺も…悪かった。」
視線だけ向けると、そこにはばつの悪そうな顔をして目を伏せる姿。