ナツマツリ



「ホントのこと教えてやるよ。」

「…なによ。」

「ただし条件付きでーす。」



ピン、と。無駄に長い人差し指を天井に向け、そう言い放ったこいつに嫌な予感しか募らない。


絶対に、確実に、ろくでもない条件だ。



「1、ナツからキスする。」

「、はぁ!?」

「2、膝枕。」

「…。」

「以上でーす。」

「(くそったれ…!)」



眼光鋭く睨みつけるも、当の本人はどこ吹く風。


端正な顔を歪ませて酷く楽しそうな笑みを形作っているのは、きっとあたしが条件を呑むのを確信しているから。


< 180 / 232 >

この作品をシェア

pagetop