ナツマツリ
「ホントのこと教えてやるよ。」
「…なによ。」
「ただし条件付きでーす。」
ピン、と。無駄に長い人差し指を天井に向け、そう言い放ったこいつに嫌な予感しか募らない。
絶対に、確実に、ろくでもない条件だ。
「1、ナツからキスする。」
「、はぁ!?」
「2、膝枕。」
「…。」
「以上でーす。」
「(くそったれ…!)」
眼光鋭く睨みつけるも、当の本人はどこ吹く風。
端正な顔を歪ませて酷く楽しそうな笑みを形作っているのは、きっとあたしが条件を呑むのを確信しているから。