ナツマツリ



別に聞かなくても支障は無いけれど、でも、でもさ。


やはり、気になる訳で。



「ふー…、」



取り敢えず気持ちを落ち着けようと息を吐き出し、重い腰を上げた。



「お。」



途端、やつは好奇に目を細めて口許の笑みを濃くする。


テーブルを挟んで向かいに座を組む侑の真隣に腰を下ろし、双手の拳を股の上で固く握りしめた。



そして。


「こ、れでいい?」


< 181 / 232 >

この作品をシェア

pagetop