ナツマツリ



暫くの間見つめ合っていると、途端に向こうの瞼が下ろされて。



「……んっ、」



それを合図に舌先が侵入してきた。


一層力を込められる、頭部と腰に当てられた侑の掌。


行き場の無いあたしの両手は、遠慮気味に彼のシャツを掴むに留まる。


口内の至る所を刺激され、部屋中に響き渡るノイズ。


散々あたしの口腔の中を荒らして、頭一つ分下に位置する侑の顔がゆっくりと離れていった。



「うわ、」

「はぁ、ちょ、なに…。」



肩を上下させて荒い呼吸を繰り返すあたしを、斜め下から見上げる形でじっと見詰められる。


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