ナツマツリ


「(少し仕返し、したかっただけなんだけどな。)」


あたしの軽率な発言で侑の憤りを招いてしまったのは事実。


もしかしたら失恋したばかりだったのかも、なんて結論付けることにした。


「ナツ。」


顔を上げると、太陽を背に頬をゆるめた侑がいて。


不思議と、先程までの気まずさは微塵も感じなかった。


「なに。」

「すっげー量のアイス貰ったんだけど。…食いに来ませんか。」


取ってつけたような敬語に、思わず吹き出してしまう。


「行く。」


侑なりに後悔してるのかもしれない。頬を赤に染めてブラウンの髪を揺らすそいつを見て、少し笑った。

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