ナツマツリ
/何て答えるのが正論?
それは陽が5歳の誕生日を迎えた後のこと。
「なぁ、ナツ。」
キッチンに立ち夕食作りに勤しんでいると、あたしを見上げ服を引っ張る陽。
チラリと視線を移し危険が及ばないことを確認すると、再度包丁を握り直して口を開いた。
「なーに。」
「きょう保育園で他のヤツにもきいたんだけど。」
「?、うん。」
眉をひそめ思案を巡らす我が子を横目に、手を洗いタオルでそれを拭いた。
「あのさー…。」
腰を屈め、そのあどけない顔と視線を合わせる。