ナツマツリ
と、そのとき。
「(着信…!)」
丁度いいタイミングに鳴った自身のケータイに内心ガッツポーズを決め込み、直ぐ様相手も見ずにそれを耳に当てた。
「もしもし…!」
"おー。早かったな。"
「、侑!」
幸い電話を掛けてきたのは侑で。思わず相談しそうになるが意図的に閉口させて陽を盗み見る。
「陽、ごめん。ちょっとお父さんと話してくるからテレビ見て待ってて。」
「えー…、さっきオレがいったのは、」
「後で答えるから…!」
引き攣る笑みでそう言葉をこぼし、ダッシュでリビングをあとにした。