ナツマツリ
「な…に、」
"陽はまだ5歳だからな。ちゃんと差し支え無いように説明しとくから安心しろよ。"
「寧ろ毎晩ってのを止めれば、」
"それは無理。"
「………ソウデスカ。」
間髪入れずそう言い放つこの男に、深い溜め息を送ってやった。まぁ、でも。
「(愛されてるってのが堪らなく嬉しくは、あるんだけどね。)」
クスリ、と。密かに微笑みを浮かべたつもりだったけれど地獄耳のこいつには通用しなかったらしい。
ウザいくらいに尋ねるものだから、料理の途中だと言って勝手に電話を切ってやった。
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そしてその晩。