ナツマツリ
―――――――――…
「うま…!」
早速侑の家にお邪魔したあたし。高価であろうバニラアイスを片手に感嘆の声をあげた。
「…よかったな。」
「うん!」
「俺のベッドに落とすなよ。」
「うん!」
「聞いてんのか?」
「うん!」
「………。」
侑が白けた視線を向けてきている気がしなくもない。
が、そんなことよりアイスである。夏の醍醐味はアイスの美味しさを高めてくれるところだとあたしは思う…!
ミーンミーン、と。蝉の仰々しい鳴き声を耳に入れながら忙しなくスプーンを口に運んだ。