ナツマツリ
「言ってみ。」
「塾の講師やれば良い経験になるんじゃないかなー…、と。」
侑が通っているのは有名な医大で。卒業するまでには6年の時間を要するから、あたしとは2年のタイムラグがある。
そして密かに考えていた塾の講師、というキーワードに顔をしかめた侑。
「高校生とか……。」
「中学生かもしれないけど。」
「げ、思春期真っ盛り。」
「何が言いたいのよ。」
げんなりとした面持ちで視線を宙に飛ばす侑。
意味不明だと言わんばかりに、怪訝な表情で睨みつけた。
「わかんねーの?」