ナツマツリ



「な、ちょ、違うから…!」

「違わねぇだろ。」

「、侑は先にリビング行ってて!後でコーヒー入れに行くから。」

「えー…。」

「えー、じゃない!」



広い背中をぐいぐい押して、教室として使用しているこの部屋から侑を追い出す。


真っ赤な顔を悟られないようにと、あたしは必死だ。



そのとき。



「今夜も目一杯愛してやるよ。」

「…っ!」



去り際に耳元でそう囁いたものだから目を見開いた。元々赤かった顔が更に熱くなった気がする。


< 215 / 232 >

この作品をシェア

pagetop