ナツマツリ



「………。」

「せんせー?」



服の裾をくいくい、と女の子に引かれるが、双手を口許に当て俯くあたしは反応を返せない。



「先生顔まっかー!」

「う、うん……。」

「陽くんのお父さんに何て言われたのー?」

「秘密…!」



あんな殺し文句、言える筈がない。


何とか女の子の質問攻撃をかわしながら、別の話題に持っていくことに奮闘。


その後迎えに来た女の子の母親に、「陽くんママ顔赤いね?」と言われて酷く焦ったものだ。


それだけ侑の台詞は、あたしにとって驚異的な威力があると言うこと。






-END-

(殺し文句の威力とは?)



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