ナツマツリ
少しだけ視線を浮かばせて思案する。学校が終われば陽が家に居るし、侑が帰ってきたときに一人ってことは無い、か。
「…うん、いいよ。」
"ほんと!?じゃあ後で詳しいことメールするね!"
「わかった。」
そう言うや否や、陳腐な機械音をたてて通話終了を知らせたケータイ。
その画面を見ていれば、いつも佳奈から掛かってくる電話の通話時間の半分にも満たないことに気付く。今夜喋るから、と言うことだろうか。
「……ふぅ。」
一応、侑にメールしておこう。陽にも真っ直ぐ帰ってきてくれるように頼んでおかないと。
再度ティーカップに口を付ければ、些か温さの増したコーヒーに思わず眉根を寄せてしまった。
――――――――――――――
―――――――
――…