ナツマツリ



「惚けても無駄。それ、俺結構楽しみにしてたんだけどー?」

「…運もあるからな。」

「いや、おかしいだろ。毎晩毎晩ナツのこと抱いてんのに出来ねぇって。それで俺考えたんだけど、」

「……………。」

「侑、避妊してるだろ。」



ここで目を逸らしたら負けだぞ、俺。


図星だけに否定するのも気が引けて…、つうか、こいつの言う言葉が当を得ているから、か。


上手い返答が見つからず、眉をピクつかせながらもカップに口を付ける。中坊の癖にマセてやがる…。



「で、なんで避妊してんだよ。」

「…やけに突っ込むじゃねぇか。」

「珍しく俺が優位だからなー。とことん侑を追い詰めてやる。」

「うぜ。」

「理由はそうだなー…。俺を出産したときにナツが俺ばっか気にかけてるのに苛ついた、とか?」


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