ナツマツリ
苦笑いをこぼしながらその視線から逃れるべく身体を捻る。まさか、なんて。図星なだけに言葉が詰まってしまっただけだ。
すると。
「……んっ、」
背中を向けたあたしの身体に腕をまわした侑。
その手はしっかりと上体の膨らみを捕えていて、思わず吐息が声になって洩れだす。
「ちょ、なに……っ、」
「俺、今すっげぇ嬉しいんだけど。」
「…、?」
そう言いつつあたしの頭上に顎を乗せる。更に密着した身体に、悲鳴を上げる心臓は侑に捕われたまま。
「最近なんかナツ冷めてたっつーか。」
「……ごめん。」