ナツマツリ
「この街は変わんねぇな。」
独白の如く吐きだした侑は、傾きだした日によって橙色に照らされていて。
「…うん。」
眩しげな横顔を見つめながら、簡素に返す。
視界の端には長さの違う影が二本、ひゅるりと伸びているのが、なんだか物寂しく感じた。
――――――――――――…
「おー、侑!ナツちゃん!」
小学校の柵を開くと、顔を綻ばせた圭さんが駆け寄ってきた。
「どーも、圭さん。」
「また随分と男らしくなったなー!」
兄弟のように会話を交わしている二人を前に、あたしは首を傾げる。