ナツマツリ


――――――――――――…



「侑、お疲れ。」


一足先にお囃子の全体練習は終了していて。暫くして演技を終えた侑が柵から出てきたので声を掛ける。


「…俺のこと待ってた?」

「え?うん。」


他に誰がいるんだよ、と。些か頬を膨らませて睨むように視線を向けた。


と。

「うわ、」


ぐい、と手首を掴まれ引っ張られて。バランスを崩したあたしは、侑の胸に倒れ込む恰好になる。


「な、侑、なに…!」


どくん、と。大きく心臓が波打った。

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