ナツマツリ


嗚呼、なんだ、そっか。


簡単なことだったんだ。


「侑のバーカ。」

「落とすぞ。」

「嘘だよ。」

「……何なのお前。」


どうして、始めから気付かなかったんだろう。


「ゆーう、」

「なに。」


月明かりが照らす夜道の中で二人きり。


「ありがとう。」

「……、ん。」


侑に対して抱く恋心に気付いた瞬間だった。

< 39 / 232 >

この作品をシェア

pagetop