ナツマツリ


――――――――――――…



「遅れました…!」

「まだ始まったばかりだから大丈夫だよ。」


少しだけ時間に遅れてしまった。今日に限って、なんて落ち込むあたしを圭さんが優しく手招きしてくれる。


席に着くと、隣に座る人がウーロン茶を注いでくれた。


と。

「圭さん、侑はまだ来てないんですか?」


きょろきょろと辺りを見渡しながら訊ねる。侑が遅刻とか珍しいな、と茫然と考えていると。


「うん?侑は今日は来ないよ。」

「………え?」


ガン、と。頭を鈍器で殴られたような、衝撃。


思考が、停止した。

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