ナツマツリ
あまりの近さに、安易に口を開くこともできなくて。
頬に集まっていく熱を自覚しながら、恥ずかしさに瞬きを繰り返した。
まぁ、しかし。
「俺が通ってる大学って、ナツのとこの近くにある医大なんだけど。」
「……、えっ、――…!」
侑の衝撃的な告白は、あたしを驚かせるには十分過ぎるものだったのだけれど。
そして驚きに声を上げようとした瞬間、再び彼によって唇を塞がれてしまう。
二度目に交わした口付け。それはあたしにとって、一層、甘美さを孕んだものになったのであった。
【完】