ナツマツリ
と。
「おいこら、隠れろって…!」
酷く焦った声。確かにそれは、正真正銘、侑のもので。
明らかに。誰かを背に庇った様子だった。
「………侑?」
「な、ナツおかえり。」
引き攣り笑いを浮かべる彼に、絶句する。
何これ、何これ、何これ。
「(こんなとき、どうすればいいの…。)」
唯唯、鈍い胸の痛みは増すばかり。
重い沈黙を破ったのは、核心に触れたあたしの言葉だった。
「侑…………、浮気?」