ナツマツリ


と。

「ナツちゃんごめん!!」

「キ、ツネくん…。」


いきなり登場したのは、大学のゼミで割と仲の良い友達のキツネくんだった。


見た目が誰から見てもキツネにそっくり、という理由から、彼は本名ではなく「キツネ」というあだ名で呼ばれている。


「完全にお前のせいだ。」

「だから謝ってるのに!侑のケチ!」

「うぜー…、」

「元はと言えば、僕のこと隠そうとするからだろ!」

「そうだよね。」

「……。」


思わずキツネくんに賛同してしまった。


いや、だって、背に庇ったりしなかったら、こんなことにはならなかった訳ですし…。


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