ナツマツリ

/glasses



「……。」

「ナツ、」


侑と付き合ってから、知ったこと。


「あんま見んなって。」


彼は読書や勉強をするとき、眼鏡を掛けるみたいだ。


「いた、」

「視線がうざい。」


バチ、と。まさかのデコピン。


少し痛む額を手で押さえつつ、むす、とした視線を送る。


と。

「なに、見惚れてんの。」

「ち、ちがう!」


あたしが即答で首を振ると、些か不機嫌そうに眉根を寄せる侑。

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