ナツマツリ


「酷い…!」

「どっちが。」

「侑が!」

「隠し事するほうが酷いでしょ。」

「(やっぱり。)」


気になっていたらしい。


あたしの幼稚な嫉妬心を聞いても、どうにもならないだろうに。


「……、」


視界を占拠するのは、不機嫌そうな表情の侑。


見慣れない眼鏡姿に、心臓は悲鳴を上げる。


「ナーツ。」

「、」

「はー…、もうい――」

「妬けただけ!」

< 61 / 232 >

この作品をシェア

pagetop