ナツマツリ
きょとん、と目を瞬いた母親は。
「あー、もうそんな季節なんだ。早いわねー。」
「お母さん!」
「いいわいいわ。あんたが活発になるのなんて祭の時くらいなんだから、好きにしなさい。」
シッシ、と追い払うような素振りを見せる彼女だが、了承を貰えたあたしは嬉々とした表情を浮かべる。
今日の練習に参加する前に少し自分でも慣らさないと、なんて考えていたあたし。
だが。
「そういえば、ナツがあっちに行ってる間に圭さん結婚したみたいよ。」
ガツン、と。衝撃的な母親の発言によって現在頭にあったこと全てが吹き飛ぶことになった。
「結…婚?」
「うん。招待状来てたんだけど、あんた忙しくしてた時だったから。ナツが行かないのにあたし達が行くわけにもいかないからさー。お祝いの品だけ送っておいたわ。」
「…。」
「今日顔出したときにちゃんと言っておきなさいよー。」