ナツマツリ


しかし脅されてるときにスーパーとか寄れるもんか?いや、普通の女には出来ねぇだろうな。


「さすが俺の女だ。」

「いきなり何!意味分かんないから!」


と、そのとき。

「お、出てきたぞ。」

「ちょっと遠くて何を買ったのかまでは分からないねー…。」


華奢な身体に不釣り合いな大きめのスーパーの袋を腕に下げているナツは、そのままの足取りで何処かへ向かって行く。


「くっそ、尾行してなかったら俺が袋持ってやるのに…!」

「侑、それ普通にいい人だよ。」

「あ?俺はいつでも親切だろ。」

「絶対に違うって…!」

「それにナツの中で俺の株が上がるから一石二鳥だ。」

「(…そっちが本音だよね…。)」


向けられ慣れているキツネからの白けた視線をフルシカト。

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