ナツマツリ
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――…
あれから一週間。
『ナツちゃん、浮気してる訳でも、脅されている訳でもないから安心しなよ!一週間大人しく待っててね。』
そうキツネに言われ、心中穏やかで無いながらも地味に待っていた俺。
そして今日は一週間振りにナツが家にやって来る日だ。
「(そろそろ、だな。)」
――ピンポーン
待ち望んでいた来客の知らせ。不恰好ながらも慌てて玄関へ飛び出した。
ガチャリ、と。距離を隔てている扉を開けると。
「…っ、侑!」
俺の愛しの彼女。他人の目も憚らず、その場で腕に閉じ込めた。