ナツマツリ


「ちょ、ちょっと待って!」

「もう少しだけ、」

「ケーキ潰れちゃうから…!」

「…、ケーキ?」


腕の力を緩め、真下で顔面を赤らませるナツを見詰めた。


すると、ふにゃり。頬を緩ませた彼女の口から出た言葉は。


「侑、誕生日おめでとう。」


あぁ、何だ。そんなことだったのか。


不安に駆られていた心がこれ以上ないくらいの幸せへと変わっていった、そんな俺の誕生日。


「お返しは、そうだな。」

「…、え?」

「キスでいい?とびっきり濃厚なやつ。」

「ばかじゃないの…!」



-END-

( happy b day )


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