ナツマツリ


「……、」

「あ、ナツ。」

「なに。」

「当日、何が起こっても動揺すんなよ?」


そう述べた彼は、流れる動作であたしの額にキスを落とした。


真っ赤になって立てた膝に顔を埋めるあたしは、


「(どういうこと…。)」


悶々と自問自答を繰り返しているのであった。



――――――――――――――
―――――――
―――…



そして、当日。


「ナツー!待たせてごめん!」

「いいよ。講義お疲れ。」

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